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[24632] サクラマス 稚魚放流 
2006/3/18 (土) 23:07:03 MKTHomePage
今、こちら山形県ではサクラマス釣りで賑わいを見せてます。
サクラマスは山形県の魚なので、県としても増殖に力を入れているようです。


さて、本題ですが、サクラマスから卵を取って孵化させ、稚魚を放流します。
稚魚は川の中流で放流されますが、その中の、どれくらいがサクラマスになり、
どれくらいがヤマメとして居残るものでしょう?

それとも、中流で放流したらヤマメにはならないんでしょうか?



[24633] Re:サクラマス 稚魚放流 
2006/3/18 (土) 23:47:27 小西英人HomePage
▼ MKTさん

 ちょっと山形県の例を知りませんが、ふつうサクラマスは北に行くほど、雌はほとんど降海します。

 そして成長のいい雄は、河川残留型になり、成長の遅れた雄は降海します。

 また北海道の例では、孵化して浮上した稚魚の雄は上流に移動し。雌は下流に移動する傾向があり、上流に移動した雄は河川残留型になる事が多いという研究もあります。

 養殖サクラマスでは、人為選択により、雄の河川残留型を増やせるといいます。残留型、降海型は遺伝的な要素もあるということですね。

 成長速度により違い、孵化して浮上するときに違い、遺伝的に違い、さまざまな形で生活史の分岐が始まるようです。

 これらをふまえて、山形県が、どう考えて稚魚を生産し、放流をしているのでしょうか。ぼくにはわかりません。

                           英人

[24634] Re2:サクラマス 稚魚放流 
2006/3/19 (日) 00:16:13 MKTHomePage
▼ 小西英人さん
>  また北海道の例では、孵化して浮上した稚魚の雄は上流に移動し。雌は下流に移動する傾向があり、上流に移動した雄は河川残留型になる事が多いという研究もあります。

なるほど。中流で稚魚を放流しても、そこから遡上をして残留することもあるんですね。


>  養殖サクラマスでは、人為選択により、雄の河川残留型を増やせるといいます。残留型、降海型は遺伝的な要素もあるということですね。

う〜ん・・・人為選択できるというのは、種の危険も含んじゃいますね。


>  成長速度により違い、孵化して浮上するときに違い、遺伝的に違い、さまざまな形で生活史の分岐が始まるようです。

なるほど、どの過程からサクラマスとなるかは様々ということですね。


>  これらをふまえて、山形県が、どう考えて稚魚を生産し、放流をしているのでしょうか。ぼくにはわかりません。

どういうポリシーなんでしょうね。「増やす」ということに夢中で人為的選択が行われていたら、ちょっと悲しいです。


余談ですが、今から30〜40年以上も前は、最上川中流域周辺の用水路や田んぼには、複数匹侵入してくるくらいサクラマスがいたようです。
知人談では「昔、春にはサケが水をひいた田んぼに入ってきたもんだ」と言っていますが、時期的にサケじゃなくサクラマスと推測できます。



[24635] Re3:サクラマス 稚魚放流 
2006/3/19 (日) 05:56:33 小西英人HomePage
▼ MKTさん

 「さけ」と「ます」を、釣り人は非常にシビアに、そして非常に曖昧に呼び分けます。

 正真正銘の「ます」が釣れた!

 正真正銘の「さけ」が釣れた!

 なんて話を聞いたら、いったい何が釣れたのか、まったくわからないし、その人の頭の中を推理するほかありません。

 たぶん、日本人の原風景のなかで、「さけ」といえば、

 サケ Oncorhynchus keta (Walbaum,1792)

 「ます」といえば

 サクラマス Oncorhynchus masou masou (Brevoort,1856)

 があるのでしょうけど、さけとますの呼び分けに、ほとんど意味はありません。

 まえに、ある図鑑編集者と、議論したときに、「さけ」と「ます」の違いも明確にできない、いまの研究者に、大きな顔して魚を語る資格があるのかといわれ、ぼくは、ぶち切れて、大喧嘩をした記憶があります。

 さけとますについて、書こう書こうと思いながら、なかなか説明が難しくて、書いていません。

 【遊魚亭】の今週の魚、先週は、ばたばたしていてとばしましたけど、今週は、マアナゴの予定です。来週くらいにサクラマスを書いて、さけます論議をまとめようかなあ…。

 MKTさんは、わかっていらっしゃるようだけど、それでも、きちんと説明しろといわれると、結論は「意味なし」であったとしても、困るでしょう。

 MKTさんの言葉から、そんなこと、思いつきました。

 話を元に戻しますが、放流に頼るような増殖は、してほしくないですね。かならずどこかに、ひずみがでます。

 サクラマスの生活2形だけでも、かなり難しい問題ですし、研究者は、いろいろ頭を悩ませています。進化上の、深い謎と問題と解決を秘めているのです。

 誤解を恐れず、簡単に書きましょう。

 雄の成長が早ければ、河川残留型になり、幼形成熟します。

 成長の遅い劣等生は、降海し、でかくなって帰ってきます。

 産卵になると、劣等生が大きくなり、威風堂々と川に遡上してきて、やはり、一緒に遡上してきた大きな雌と、産卵行動に入ります。

 優等生だったはずの、残留雄は、こそこそと隠れて、放卵放精のときに、ぴゅっとでてきて放精して逃げるとうこそ泥戦略、スニーキングをします。

 これは進化上、どちらが有利な行動なのでしょうか?

 この残留、降海を雄が選択するのは、どういう利点があって、どういうことが引き金になって選んでいるのでしょうか?

 すごく遠大な命題です。

                            英人

[24638] Re4:サクラマス 稚魚放流 
2006/3/19 (日) 12:36:42 MKTHomePage
▼ 小西英人さん


>  MKTさんは、わかっていらっしゃるようだけど、それでも、きちんと説明しろといわれると、結論は「意味なし」であったとしても、困るでしょう。

マスノスケなんて、「マス」の大将ですからね(笑
そもそも、英名と和名の「サケ」「マス」呼び訳でも違いますから意味はないのかなぁ・・・と思っていました。サケ科でうることがわかっていれば、○○サケでも○○マスでも、どちらでもいい感じはします。ヤマメとサクラマスの和名での呼び訳は悩むところですが。
個人的には○○タイという、タイに似つかない、タイ科でもないものにタイと付くことよりは、まだマシかなという気はします。山形の釣り人は、マダイ、クロダイ、イシダイの3種が釣れると、「タイ御三家が釣れた」とタイが3種釣れたと喜びます。その喜びの場面で分類の話を切り出して御三家崩壊とするのは酷です(笑


>  この残留、降海を雄が選択するのは、どういう利点があって、どういうことが引き金になって選んでいるのでしょうか?

遺伝子に残る、海での記憶、川を求めた記憶・・・でしょうかね。
不思議ですね。


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