2007年6月11日

リアスピーカーについて

わがせせこまシアターの次なるバージョンアップは、画ではなく音でいくことに決めた。画の方は、とにかく次世代DVDの決着を待つことにする。今のSD画質のままで、質のいいプロジェクターやプレーヤーを導入するという方向もあるのだけれど、フォーマットが目の前で変わっていく時期なのだからして、これはしばらく見であろう。

で、その音の方だけど、具体的にはフロントのスーパースワンはそのまま生かすことにする。低音は40hzまでだけど、その40hzの質がいいので、変なサブウーハーも今さら導入できない。もっとも大切な中音の質については十分なクオリティであり、このクラスのものをもう一度作るには、何か他に相当のアドバンテージがなくてはやれない。ネッシーJrはどうだという気もするけど、ちょっと後だ。とにかく2chからマルチに移行しよう。

そこでリアスピーカーの形式と大きさをどうするという話になってくる。スピーカーマトリクスや、ドルビープロロジックの時代は、リアには間接音などの音場生成成分しか入ってこないので、低音はいらないといわれた。設置位置も、マトリックスをのぞけば、フロントより高い位置がいいというのが常識だった。少し高いのがいいのか、高ければ高いほどいいのかというと、限度はあるにしても通常の部屋に設置するなら、高くて悪いことはなんにもない、という感じだった。

だから、フロント、センター、リアを同じスピーカーで揃えるのが理想というのは、ナンセンス。リアは間接音の中高音がきれいに出れば十分という人もいた。今でも、そう主張しているショップもある。

果たしてそうかなと思う。フロント、センター、リアの5本のスピーカーのうち、もっともレンジが広い信号が入力されるのは、多くの場合センターのようだ。フロントがそれに次ぐ。そして、現代の映画ソフトはリアにもほぼ同等の広帯域な音が入っている。スピーカーマトリクスとは、入ってくる信号が全然ちがうのだ。

そうなると、やはり5本すべて同じスピーカーで揃えるのが理想ということになる。これは、もう絶対にそうなるのだが、現実にはスーパースワン5本というのは無理なので、1)十分な帯域、特に低域を確保。2)音質を揃えるために振動板の材質を揃える。3)音のスピードを揃えるために形式を揃える。あるいは近いものにする。という、リアスピーカーの条件が見えてくる。

この条件を考えて、一応、フォステクスFE-108EΣ(理想的にはFE-108ESⅡ)によるバックロードホーン、もしくは音速を考えて共鳴管、あるいはその組み合わせという妥協に達したのだけれど、ユニットの高さをどうするかという問題は相変わらず残る。

少し、高いのがいいのか。うんと高いのがいいのか。それともフロントと合わせてしまうのがいいのか。

いうまでもなくマルチチャンネルの目的は、音場の生成にある。個別のスピーカーから、個別の信号が、個別に分離して出てくるだけでは、音場とはいえない。それが空間の中で溶け合って、密度の高い音場空間を作ってくれなくてはならない。リアで効果音がぐるぐる回るような子供だましは、みんな70年代の4チャンネルで懲りているわけで、やはりめざすところは擬似的・人工的ではあるにせよ、映画の音響設計者が意図した、上映現場の音場空間を自室で再現することにあるわけだ。

どうしても各スピーカーのつながり、音場の密度ということが問題になってきそうに思う。そうなると、リアスピーカーは、高い位置がベストとはいえないのではないか。フロントやセンターと同様に、うんと低域も入った音が、頭の上から落ちてくるというのでは。

映画館のサラウンドスピーカーは、たしかに高いところにあるけれど、あのくらい広い空間と、至近距離にスピーカーを置かなくてはならない自室とでは、またちがった話になってくるような気もする。

とにかくこういうのは、やってみなくてはわからない。長岡鉄男が生きていれば、明確な考え方を示してくれたはずなのだけれど。

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