WEB魚図鑑●さかなＢＢＳ

HOME 似たもの検索　

携帯版 　|　

Gear-Lab

新コミュニティ（掲示板）オープンのお知らせ

WEB魚図鑑では、2013/7/25より新しいコミュニティをオープンしました。「このお魚何？」というQ&A専用のページもあります。是非新しいコミュニティを使ってみてください。新コミュへの投稿はズカンドットコムへのアカウント登録が必要です。2013年1月以前にWEB魚図鑑へ投稿したことのある方はアカウントの引き継ぎを行うことができます。

[▲前のスレッド]

[3553] ハーフムーン
	【魚図鑑参照】

▽ 2002/11/11 (月) 16:38:47 ▽ ロイ

◆画像拡大

この魚は Halfmoon だと思います。オパールアイ釣りの外道で時々上がります。日本企業の駐在員として来られているベテラン磯釣り師の師匠がイスズミと呼んでいます。スズキ目イスズミ科の魚だと思いますがゼブラパーチよりももっと日本のイスズミに似ているのではないでしょうか。こちらのロックアングラーの間では「ブレッド＆バターフィッシュ」と呼ばれているそうで確かにとても美味しい魚です。
以前、私が釣った時の写真より今回師匠が釣られた物の方が写りが良いのでこちらを投稿します。
ロイ

[3554] ハーフムーン＞ＯＫです

▽ 2002/11/11 (月) 17:13:59 ▽ 小西英人

▼ ロイさん

　ハーフムーンです。おっしゃるとおり、スズキ目のイスズミ科です。

　鰓蓋上端の暗色斑が特徴です。南カリフォルニアでは、ふつう種のようですね。フィッシュベースではこれです。

http://www.fishbase.org/Summary/SpeciesSummary.cfm?genusname=Medialuna&speciesname=californiensis

　たしかに、写真で見る限り、ゼブラパーチより、イスズミやミナミイスズミなどに違いように見えます。しかし、ぼくらは現物を見ていないので、何ともいえません。

　しかし、イスズミや、ミナミイスズミに似ていると、ほんとうに臭くて、不味そうに見えるのですが、国によって違いますね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　英人

[3558] 図鑑＞ハーフムーン＞登録しました＆訂正お詫び

▽ 2002/11/12 (火) 07:31:25 ▽ 小西英人

▼ ロイさん

　ハーフムーンのアップ、ありがとうございました。登録しておきました。

　ひとつ、ぼく、間違えていました。イスズミ科の魚で、イスズミやミナミイスズミに近いようにも見える…なんて口走っていましたが、大嘘です。記載を書こうと思って、調べ直していて、気がつきました。あぶないあぶない。

　これはスズキ目のタカベ科になります。あの日本の磯釣りで釣れる、青くて背側が黄色い小魚のタカベと同じ仲間になります。タカベは美味しいのですが、これの仲間だから、美味しいのでしょう。じつは２０００年からタカベの含まれる科は、移動されています。和名では同じ「タカベ科」ですが、科の学名では　　Labracoglossidae から　Scorpididae に移されているのです。

　この　Scorpididae は、以前は、カゴカキダイ科だとされていました。『新さかな大図鑑』を持っている人は、３８２ページを見てください。カゴカキダイ科魚類として、カゴカキダイ、ブルーマウマウ、スウィープ、などが載っています。いまカゴカキダイ科は　Microcanthidae になっています。

　ややこしい話でごめんね。魚類分類学が、いま、遺伝子解析などをもとにダイナミックに動いているから、こうなってしまうのです。進歩とは、ややこしいのです。

　ブルーマウマウ、スウィープ（フィッシュベースでは　Silver sweep）というのは、ニュージーランドやオーストラリアにすむ魚で、これらがロイさんのハーフムーンの、お仲間になります。日本の学名で言うと、前はカゴカキダイ科でしたが、いまはタカベ科ということになります。

　フィッシュベースで見ますと、

■Blue maomao ブルーマウマウ
http://filaman.uni-kiel.de/Summary/SpeciesSummary.cfm?ID=12235&genusname=Scorpis&speciesname=violacea

■Silver sweep スウィープ
http://filaman.uni-kiel.de/Summary/SpeciesSummary.cfm?ID=27504&genusname=Scorpis&speciesname=lineolata

　になりますが、どちらもフィッシュベースに写真はありませんね。また【ＷＥＢさかな図鑑】にタカベもアップされていません。興味のある人がいれば、また、これらの写真をアップしましょう。

　それでは、ややこしいついでに、最後に、ハーフムーンの記載文を引用して、終わりにしておきます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　英人

■『日本産魚類検索　第２版』（中坊徹次編・東海大学出版会・２０００年）によると、アメリカのネルソンは１９９４年に、イスズミ科、メジナ科、カゴカキダイ科、Scorpididae Parascorpididae などをイスズミ科の亜科として扱った。それに従うと本種はイスズミ科の亜科、Scorpidinae　になる。そして、ネルソンはタカベなどの含まれるタカベ科　Labracoglossidae タカベ属　Labracoglossa　を　Scorpidinae　に含めた。しかし、ネルソンは明白な根拠をのべていない。京都大学の柳下直己博士、中坊徹次博士らは、これらの分類群を研究中であり、論文としては未公表だが、それぞれを科として扱うのが妥当だという。そのため『日本産魚類検索　第２版』では、従来通り、それぞれを独立の科として扱い、タカベ属の移動のみ認めて、タカベ科の学名は　Labracoglossidae から、Scorpididae になった。ここでは、中坊にしたがい、本種をタカベ科にした。
■小西英人

[3570] タカベ科＞画像＞タカベです

▽ 2002/11/12 (火) 12:34:09 ▽ 小西英人

◆画像拡大

タカベ■１９９４年１１月２４日、三重県梶賀

▼ ロイさん

　ハーフムーン、ややこしい話でごめんね。

　まあ、簡単に言えば、ハーフムーンは、アメリカではイスズミ科のなかの亜科として扱われていますが、日本では、イスズミ科から独立した科で扱われるように、２０００年からなったということで、その科の中心になる、スコルピス類が、日本にはいないので、日本産魚としては、その科の、唯一の種になるタカベの名をとって、タカベ科ということになりますよということです。

　とりあえず、日本産唯一の　Scorpididae タカベ科、タカベ属　タカベを紹介しましょう。

　磯の中層から表層を泳いでいて、磯の上物釣りの餌盗りになる小魚です。嫌われるけど、美味しい魚です。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　英人

[3571] タカベ科＞画像＞ブルーマウマウ

▽ 2002/11/12 (火) 12:39:22 ▽ 小西英人

◆画像拡大

ブルーマウマウ■１９９４年４月８日、ニュージーランド。ノースケープ

　これ、はじめて釣ったとき、イスズミの仲間だと思いました。京都大学に送りこんで、中坊博士から、ははは、カゴカキダイの仲間になるで…といわれたとき、ちょっと不服でしたが、その後、イスズミ科に移されて、そうやろと思う間もなくタカベ科に移りました。

　マウマウは、ニュージーランドの先住民族の言葉、マオリ語です。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　英人

[3572] タカベ科＞画像＞スウィープ

▽ 2002/11/12 (火) 12:43:46 ▽ 小西英人

◆画像拡大

スウィープ■１９９６年４月６日、オーストラリア・シドニー。

　ニュージーランドでは、グレーマウマウ。この仲間は、スコルピス属になる。だから、イスズミ科のスコルピス亜科というのが、アメリカでの位置づけです。このスコルピス亜科とでも呼んだらいい一群が、日本では独立して、日本産で唯一いる仲間、タカベの名前をつけられて、タカベ科になったということです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　英人

[3573] タカベ科＞画像＞バンデッドスウィープ

▽ 2002/11/12 (火) 12:49:49 ▽ 小西英人

◆画像拡大

バンデッドスウィープ■１９８８年１１月、オーストラリア・パース。

　もう１種、オーストラリアで普通に見られるスコルピスを紹介しておきましょう。

　フィッシュベースでは下記になります。

■Banded sweep
http://filaman.uni-kiel.de/Summary/SpeciesSummary.cfm?ID=14620&genusname=Scorpis&speciesname=georgianus

　オーストラリア、ニュージーランドの魚は、こそこそあるのですが、カリフォルニアのはないんだもんね。

　いちど、夢のカリフォルニアに行ってみたいな。そういや、若き日、ロサンゼルスに行ったとき、頭の中では「カリフォルニア・ドリーミング」が、いつもいつも流れていました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　英人

[▼次のスレッド]