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[4088] Re:マルアオメエソ>アオメエソとの関係は… 
2002/12/30 (月) 09:34:57 さとう
小西さん、こんにちは。

実は、この問題を研究しようと思い、いわき市にいったんです。
実際に自分の目で見ないとなんともいえないですものね。

アオメエソ、マルアオメエソは随分前から同種なのか、別種なのか、
問題になってきました。その前に、実はアオメエソ属自体の分類が混乱しています。大西洋産の種(Chlorophthalmus agasizii)と日本産のアオメエソが同種だ
なんていう研究者もいるくらいなんです。ちなみに、日本近海だけでも、まだ学名のついていないアオメエソ属が2種類もいます。
アオメエソ、マルアオメエソの問題の決着には世界産全種の分類学的な再検討が
必要だと思います。

2種の主な分類形質は、眼径の違いです。マルアオメエソの方がより小さいと言われています。他の計数形質はほとんど一緒です。
見たところ、確かにマルアオメエソの方が眼径が小さい気がします。

小名浜の土産物屋さんで、売っているアオメエソ類を見ると、明らかに目の
大きいものがいます。店のおじさんに聞いてみると小名浜で採れた物ではない
らしいのです。水産関係の方に聞くと、おそらく愛知産のもののようです。
しかし、統計的に違いがでるかどうかは測定してみないとわかりません。

小西さんがおっしゃるとおり、クラインの可能性もあるのかも知れません。
しかし、各地の標本を集めないとわかりません。これからの課題です。

銚子以北に分布するのがマルアオメエソ、以南がアオメエソといわれていますが、そんなにきっちり分かれるはずないですし、現在の分布情報は怪しいかもしれま
せん。

実は、マルアオメエソ、アオメエソ、ともに生態が全く分かっていません。
福島沖から鹿児島までの太平洋側で、成魚は大量に漁獲されているのに、
成熟卵を持った個体は1個体も見つかっていませんし、仔稚魚も謎のままです。

東京水産大の方がマルアオメエソの資源生態を研究されているのですが、
マルアオメエソは意外と回遊するらしいのです。マルアオメエソは常磐沖の
漁場に2月ごろ新規加入し、翌年の6月ぐらいになると、その年級群は常磐沖
から姿を消してしまうらしいのです。寿命は4年ぐらいじゃないかといわれ
ているので、死んでしまうわけではないようです。東水大の方も何処に
いるのかと困っていました。とにかく謎の多い魚です。

いわき市の小名浜にある水族館、アクアマリンふくしまでは、
このマルアオメエソを飼育しようとがんばっています。この水族館はサンマを
展示していることで有名です。
夏場に採集された個体が、12月初めまで生きていたらしいのですが、
僕が行ったときにはもう死んでしまっていて、残念ながら生きた
マルアオメエソをみることができませんでした。ほんと残念です。
飼育が可能になれば世界初です。