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[8652] 放流>第五種共同漁業権について 
2003/9/27 (土) 10:13:25 小西英人HomePage
▼ ぷいぷいユッケさん

 たぶん、ぷいぷいさんは、間違えていないと思いますが、知らない人が誤解したらいけないので、ぷいぷいさんの文章の下のところの「商業的な」に蛇足をいれておきます。

> 漁協などが行っている、サケ科魚類やスズキ目魚類などの商業的な意味での放流、
> こういったことから、「放流」が持つ意味について誤認してしまうケースも多いでしょう。
>


 内水面の放流を漁協の「商売」だと思っている人が多いのですが、内水面の漁業権は、第五種共同漁業権といい、漁業法に、きちんと規定されています。

 いわゆる放流義務の伴う漁業権で、内水面の漁業権は、これしかありません。

 漁協は、自然の川を区切って、商売のために放流して、客から金を取ってもうけることはできないのです。

 漁協は、増殖をしたいとおもう魚種のみ、知事の認可を経て、遊漁を制限することができるのです。そして増殖をしなければなりません。

 だから、漁業権魚種を決めなければならないし、だから、ブラックバスを、漁業権魚種にした場合は、法律で、漁協は、放流して増殖しなければならなくなります。

 この辺が、問題になります。

 まあ、放流=増殖という形だけできたことも問題ですが。

 また、鮎釣りも、渓流釣りも、漁協が商売して、釣り人が客で、どんどん放流して釣らせろというものではないのですが、この辺、いくら書いても、釣り人はわかってくれません。いわゆる名人たちもそうです。釣ったら偉いのです。連中は。

 日本の川を、すべて、放流釣り堀にしたのは、ぼくは釣り人の責任だと思っています。

 まだ、若い頃、関西のある漁協が、アマゴの発眼卵放流にとりくんでいました。自然のアマゴを取り戻そうとしたのですね。それで、解禁日に、まったく釣れなくて、釣り人が、金返せと漁協におしかけ、大騒ぎになって、後日に成魚放流を約束させてしまった騒動がありました。

 これに、がっかりして、ぼくは渓流から遠ざかりました。

 まあいま、法理念や、理想はともかく、現実として、内水面漁協は商売やろ、金取ったら、魚をいれんかいという釣り人が、ほとんどになっていますけどね。

 どちらにしても、近畿大学の細谷和海教授が『日本の希少淡水魚の現状と系統保存』(長田芳和・細谷和海編・日本魚類学会監修・緑書房・1997年)のなかで提案しているような、ミチゲーションを、第五種共同漁業権のかわりに考えていかなければならないのですが…。

 ちょっと、ぼくの文章から引用しておきます。

            ■
■河口湖にクルメサヨリやクサフグが泳ぐという。ブラックバスが漁業権魚種に認定され、北浦や霞ヶ浦のブラックバスを買いあさり放流を続けるからである。河口湖は放流釣り場でもなければプールでもない。放流義務の伴う第五種共同漁業権というのは、成果はおさめたと思うが、もう、見直さなければいけないのだろう。
■細谷博士は本書で釣り具メーカー、漁業協同組合、釣り団体にミチゲーションをもとめる提案をしている。
■ミチゲーションとは、簡単にいうと「補償」である。自然を使わせていただいて損ねてしまうのなら、その分を補償しましょうという考え方である。
■釣りは悪いことだとは思わない。水辺の環境を五官で知ることができ、魚を好きになる。しかし、知らず知らず、すさまじい環境負荷をわれわれは水辺にかけてしまっている。ローインパクトをこころがけて、なおかつ、われわれの補償をも真剣に考え、議論しなければいけない時代なのだ。そして漁業権魚種のみ、どぼどぼ放流したら資源は守られ、人は幸福だという二十世紀は、ぼくらの、頭と口と手で、終わらさなければいけない。
            ■

 ブラックバスも、サケ科魚類も、コイ科魚類も、すべてをきれいに考えなければいけませんね。大変です。

 それでは、最後に漁業法から内水面の部分を抜いておきます。


                              英人


 (内水面における第五種共同漁業権の免許)
第百二十七条 内水面における第五種共同漁業権は、当該内水面が水産動植物の増殖に適しており、且つ、当該漁業の免許を受けた者が当該内水面において水産動植物の増殖をする場合でなければ、免許してはならない。

 (遊漁規則)
第百二十九条 内水面における第五種共同漁業権の免許を受けた者は、当該漁場の区域においてその組合員以外の者のする水産動植物の採捕(以下「遊漁」という。)について制限しようとするときは、遊漁規則を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 前項の遊漁規則(以下単に「遊漁規則」という。)には、左に掲げる事項を規定するものとする。
 一 遊漁についての制限の範囲
 二 遊漁料の額及びその納付の方法
 三 遊漁承認証に関する事項
 四 遊漁に際し守るべき事項
 五 その他農林水産省令で定める事項
3 遊漁規則を変更しようとするときは、都道府県知事の認可を受けなければならない。
4 第一項又は第三項の認可の申請があったときは、都道府県知事は、内水面漁場管理委員会の意見をきかなければならない。
5 都道府県知事は、遊漁規則の内容が左の各号に該当するときは、認可をしなければならない。
 一 遊漁を不当に制限するものでないこと。
 二 遊漁料の額が当該漁業権に係る水産動植物の増殖及び漁場の管理に要する費用の額に比して妥当なものであること。
6 都道府県知事は、遊漁規則が前項各号の一に該当しなくなったと認めるときは、内水面漁場管理委員会の意見をきいて、その変更を命ずることができる。
7 都道府県知事は、第一項又は第三項の認可をしたときは、漁業権者の名称その他の農林水産省令で定める事項を公示しなければならない。
8 遊漁規則は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。その変更についても、同様とする。