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[8576] ボラの学名について 
2003/9/19 (金) 19:29:44 きくやの常連
小西さん、今Web図鑑でボラを見ていたのですが、学名が
Mugil cephalus cephalus Linnaeus,1758
と種小名が2つダブっていましたぁー。

もし、亜種ならこの様に3つ名が並ぶのですよね?
うーん、学校で習った様な習ってないような。

亜種の関係であるアカブチムラソイやオウゴンムラソイは、3つ名がつづってありますね。



[8577] ボラ>学名>亜種です 
2003/9/19 (金) 20:34:18 小西英人HomePage
▼ きくやの常連さん

 ボラ Mugil cephalus cephalus Linnaeus,1758

 これ亜種です。亜種は3名法をとります。

 ボラは汎世界分布の魚として有名です。

 Trewavas らは、熱帯西アフリカからモロッコ沿岸にかけて分布するものを、Mugil cephalus ashanteensis Bleeker,1863 として、それ以外のMugil cephalus cephalus Linnaeus,1758 とを1972年にわけています。

 瀬能宏博士は『日本産魚類検索 第二版』(2000年)で、その M.ashanteensis を調査したことがないので、ここでは彼らの意見に従うとして、ボラを、Mugil cephalus cephalus Linnaeus,1758 としています。

 Thomason 1997年では、亜種を認めていないと、注記もしています。

 種ととる研究者も、亜種ととる研究者もいるのです。

 フィッシュベースでは

 Mugil cephalus Linnaeus,1758 となっています。

 ぼくは、【WEB魚図鑑】は、『日本産魚類検索 第二版』に学名と和名を原則として準拠しますので、瀬能博士の意見に従っています。

 ちなみに瀬能博士は、ボラで学位をとっている、ボラ博士です。

 Mugil cephalus cephalus Linnaeus,1758

 この Linnaeus,1758 リンネ、1758年というのは、学名のはじまりとなった、リンネの『自然の体系 第10版』に載っているということです。

 この書物が、1758年の1月1日に公表されたものと見なして、これが学名の起点になっています。

 ヒトも Homo sapiens sapiens Linnaeus,1758 です。ヒトも、リンネが命名者です。いまは亜種と見なされているんだなあ。

                           英人

[8578] Re:ボラ>学名>亜種です 
2003/9/19 (金) 23:07:08 きくやの常連
▼ 小西英人さん

亜種名に種小名と同じ名前を使うことがあるんですね。
勉強になりました。

今まで学名というとただアルファベットがならんで、なんかよく分からんというイメージでしたが、属名が覚えられて近縁種などすぐ分かるし、海外の図鑑なども見やすくなりますね。

これを期にもう少し学名に興味を持ってみようと思います。

学生のころ、先生は学名を覚えろ、と口うるさく言っていて、覚えるのに苦労しました。
ちなみに植物の学名でしたが、試験が終わった瞬間に忘れ去ったのが今となっては懐かしいです。

[8579] Re2:ボラ>学名>亜種です 
2003/9/19 (金) 23:21:40 小西英人HomePage
▼ きくやの常連さん

 基亜種は、種小名がかさなります。

 Mugil cephalus Linnaeus,1758

 の亜種として

 Mugil ashanteensis Bleeker,1863

 を位置づけると


 Mugil cephalus ashanteensis Bleeker,1863

 となり、もとになった

 Mugil cephalus Linnaeus,1758

 は

 Mugil cephalus cephalus Linnaeus,1758

 になるのです。

 ヤマメ Oncorhynchus masou masou (Brevoort,1856)

 と

 アマゴ Oncorhynchus masou ishikawae Jordan et McGregor,1925

 も同じ関係ですね。

 スズメダイ Chromis notata notata (Temminck et Schlegel,1844)

 と

 ミヤケスズメダイ Chromis notata miyakeensis Moyer et Ida,1976

 もね。

                         英人

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