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[31127] Re:ありがとうございました 
2007/2/9 (金) 19:35:40 小西英人HomePage
▼ なみ〜さん

> >「タイプ標本は皮1枚」
> 読むと,本当にタイプ標本て大事なんだなと思いました.


 学名って、非常に簡単に言うと、世界でたった一つの標本についた名前なんですよね。

 この、たったひとつの標本を、タイプ標本といいます。ホロタイプとか、いろいろ種類はあるけど、とにかくタイプです。

 これが失われると学名が何を指すのか分からなくなります。

 同定とは、厳密に言うと、この世界でたった一つの標本と同種かどうかを判断することになります。

 これは、恐ろしいことです。

 そうそう。皮一枚の標本で有名なのがあります。

 1775年に出版されたフォッスコールの標本類は、コペンハーゲン大学動物学博物館にあって「フォッスコールの、せき葉標本」とあだ名されています。魚類の「押し葉標本」ですね。魚の皮をはいで紙に挟んで乾燥させた物です。

 スウェーデン人のフォッスコールは、あの分類学の創始者、リンネの弟子の一人で、デンマーク王室が派遣した、世界で初めてのアラビア学術探検隊に参加して、紅海を調査し、31歳でマラリアにかかって客死したのです。彼の標本類は死後に整理され、出版されたのですが、アルコールに漬けた液侵標本類は、管理ができず腐敗したりして遺棄されてしまい、皮だけが残っています。

 江戸時代の、そんな若造の博物学者がどないしてんといわれそうですが、彼の死後出版された『諸動物の記載』(1775年)で初記載され、日本産魚で、いまだに有効な学名だけでも61種もあります。彼の業績をたたえて、その日本産魚の現在でも有効な学名リストを掲げておきますね。これらの魚の完模式標本、ホロタイプ(世界でただ一つの、学名を担える標本の意味です)は「押し葉」なのです。


トンガリサカタザメ
ツカエイ
ヒョウモンオトメエイ
ハモ
オオイワシ
オキイワシ
サバヒー
ホシザヨリ
ウケグチイットウダイ
ヨゴレマツカサ
アヤメエビス
トガリエビス
クロハタ
ユカタハタ
オオモンハタ
アカハタ
アカマダラハタ
ヒトミハタ
バラハタ
コトヒキ
ホウセキキントキ
モトギス
クロボシヒラアジ
コガネアジ
クロヒラアジ
ホシカイワリ
ロウニンアジ
コガネシマアジ
イケカツオ
セイタカヒイラギ
ゴマフエダイ
バラフエダイ
ニセクロホシフエダイ
ヒメフエダイ
ヨスジフエダイ
マダラタルミ
ミナミクロサギ
エリアカコショウダイ
ホシミゾイサキ
マトフエフキ
ハマフエフキ
タテシマフエフキ
ヨコシマクロダイ
ナンヨウチヌ
ヘダイ
ミナミヒメジ
テンジクイサキ
ナンヨウツバメウオ
ツバメウオ
トゲチョウチョウウオ
シマスズメダイ
フウライボラ
タイワンメナダ
カマスベラ
キヌベラ
ヒブダイ
ブチブダイ
オウムブダイ
ハゲブダイ
ナガニザ
テングハギ