TOPPING TP21のこと
音が出た瞬間、「あれ?」という感じだった。自分の耳がおかしくなったかな、と。普段聴いている金田アンプと、音の出方がそんなにちがわないのだ。というか、よく似ている。
以前、SONY TA-F333ESRと金田アンプを聴き比べてみた時に、大人と子供とはいわないけれど、大人と中学生くらいの差を感じたものだけど、今回は、よく聴かないとわからない。
すぐに気づくのは低域の押し出しとか、全体のスケール感で、スーパースワンが一回り小さくなったような鳴り方をするのだけれど、それでも、BGMで聴いているかぎりそんなに気になるほどでもない。
まあ、音のふるまい方として、金田アンプは普段は当たり前の音を当たり前に出しながら、ここぞというところでは、スピーカーの振動板をわしづかみして、勝手な鳴り方は許さないかんな、私の言う通りに鳴らないと後が怖いかんな、というような圧倒的な支配力を見せることがあるのだけれど、さすがにそんなことはない。
あとは鮮度感とか、空気が澄んでいる感じとか、ダイナミックレンジとか、そういう点についても劣るといえば劣るのだが、全体としてうまくまとまっているし、しなやかに、出るべきところは出してくる。中高域だけにしぼってみれば、質の良さは「一級品」(カッコで閉じるのは、どうもそう言い切っていいのか戸惑うからだが)ではないのか。少なくとも一昔前の中級プリメインより上等な鳴り方をしている。ように思う。
TOPPING TP21という中国製のデジタルアンプである。サイズは105x40x140、重さは量ってないけど1キロ2キロというものではない。これを駆動するACアダプター(14V)よりずいぶん軽い。トライパスのTA2021Bというオーディオ用ICを使っている。これで4980円、ACアダプターと送料込みで7000円くらい。
例のNS-5用に買ったもので、まあ普通に鳴ればいいやという感じだったのだけれど、これはちょっとしたものである。この手の小型アンプにありがちな高域のカンカンしたところも皆無、かといって切れ込むべきところは切れ込んでくる。低域の押し出しが...、と書いたけれど、それも金田アンプに比べればという話で、音楽のバランスが高域寄りであるとか低域不足であるとかいう感じはない。
そもそもスーパスワンというのは、機材のちがいをことさらに拡大してみせるようなところがあって、良いものはより良く、悪いものはより悪く聴かせてしまう傾向がある。そういう、オーディオのリトマス試験紙のようなスピーカーで鳴らして、特に破綻をみせずに鳴らしきるというのは、ほんとに「あれ?」なのであった。
話のタネに買ってみるかという方がおられたら、ACアダプターは12Vよりも14Vの方が良いらしい、という話なので、そちらをどうぞ。
追記:
CDを替えながら試聴を続けてみたところ、低域はやはりちょっと量感不足かなという気がしてきた。質はともかく量が少し足りないような気がするのだが、どうなんだろうなあ。
コメント
昨日の釣りはいかがでした?
ということはさておき(^_^;)
これいいですね~。実は出張ライブの音響のお手伝いなどもやってまして、前回はBOSEの1705でSPを鳴らしてみたのですが、2時間ほどやってると触れないくらい発熱して、キーンというノイズが入り、一時中断して団扇で扇いで冷やして事なきを得ました(^_^;)
ほんまに発火するんじゃないかと思いました。
で、YAMAHAのA100aという多少大きいのを入手しましたが、これも部屋で小音量で聴いてるだけで結構な発熱があり、次回のライブでちょっと心配なのです。
小型アンプの発熱ってしょうがないのでしょうかねえ?
一度、長時間鳴らし続けての発熱テストをばお願いします(^_^;)
Posted by ひろすけ at 2009年10月19日 21:19
ひろすけさん
このアンプ、発熱はほとんどないに等しいです。何しろ、出力トランジスタもFETもないですし。少し薄味にはなりますがA級であちあちになる金田アンプのピンチヒッターとして、猛暑の日などには、これで鳴らそうかと思うくらいで。
アンプ固有の色づけが感じられないので、モニターには向いているかもしれません。ただ、出力が25Wx2なので、能率の低いSPだと大きな会場の大音量は苦しいかもですね。
Posted by JUN at 2009年10月19日 21:33
JUNさん さっそくどうもです。
なるほどデジタルアンプというのはそういうものなんですね。
持ち運びには抜群の小ささですし、これはひとつ買ってみようかな?
出張録音のモニターにもよさそうですね。
今度の会場は、結構生音も響くくらいなので、おそらく25Wあれば大丈夫と思います。
グランドピアノが置いてあって、それが生音でガンガン響きますので、他の楽器がそれに負けない程度にミキサーで調整して鳴らすといったところです。
ライブのセッティングは、会場の音の響きも考えないといけないので、ある意味録音よりも難しいところもありますね。
釣りのお話はFFISHのほうでお待ちしております(^_^)v
Posted by ひろすけ at 2009年10月19日 22:42
ひろすけさん
釣りは、港まで行ったところで、船長のあららさんが発熱気味ということで大事をとってそのまま帰ってきました。あららさん、大丈夫かしらん。
最近、D級アンプが流行りだとは聞いていましたけど、昔は構成が大がかりになるので、オーディオ用でD級の製品ってなかったように思います。最近は、回路技術が進んだのでしょうね。
そうなると電力効率が抜群にいいので、A級やAB級みたいに出力段で発熱ということが劇的に減少して、コンパクトにもなるという、いいところだけが出てくることになりますね。このアンプ、ちょっと革命という言葉を浮かべるほど(何度も出てきては消えた言葉ですが、今度だけは本物か^^;)、衝撃的なものでありました。
話のタネにくらいはなりますので、試してみてもいいかと思います。
Posted by JUN at 2009年10月19日 22:56
善は急げ(^_^;)で、早速落札いたしました。
到着が楽しみであります。
Posted by ひろすけ at 2009年10月19日 23:01
ひろすけさん
素早いですね^^;。音にはちょっと驚くかもしれませんよ。
Posted by JUN at 2009年10月19日 23:08
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