2008年3月30日

昼酒談志のこと

雨の日曜日に朝から重たい電話をしなくてはならず、気がふさぐので、じゅん坊さんを見習って昼酒をかっくらってみることにしました。で、今、酔っぱらいつつあります。と、酔っぱらいがいうわけですから、すでにだいぶ酔っておるのでしょう。

雨の日曜日の昼に、ただ酔っているのも変ですので(と思うところが、まだまだじゅん坊さんほどニンゲンができていないわけですが)、落語を聞いてみることにしました。サケの力を借りて、というのはありますが、ワタシのような半端ものは、ただサケを飲むのにも何かの力を借りなくてはならない。こういう時は、文楽や圓生ではなく、まして志ん朝・可楽ではなく、どうしても志ん生、談志という、ややコワレたところになるわけです。

で、にこにこ動画に、「談志のまくら1・2」というのを発見して、ぼちぼち飲みながら、ぼちぼち聞いておりました。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2582758
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2583800

この毒気満開の談志まくら集、サケの肴にこれ以上のものはありませんな。

「私の不幸は、自分の鑑賞力が自分の技芸を上回っていることです」
「決心というのは、成り行きに後からついたハンコみたいなもの」
「努力とは、馬鹿に与えた希望のことでしょう」

まあ、なんでもいいのですけど、こういう馬鹿馬鹿しいことを、本気で話しているのが面白い。談志なんぞ、生きている間は、まあ勝手にやっておいてくださいましというような落語家ですが、死んでしまえばこれほど愛おしい者はいないにちがいない。何しろ、落語家のくせに、全身で落語家を愛している。

あるツテがあって、ああたが談志の独演会をおやりになるなら、ワタシが段取りをしますから、いくらいくらだけ用意してください。モトはとれるかとれないかわかりませんが、それは客の都合ですから、お互いあきらめればいいじゃありませんか。といってくれた人があったけれど、あの時、話にのっておけばよかった。

心に傷がある雨の日曜日の昼酒に、相手をしてくれる人がいる人は幸せです。ぼくは今日、談志が相手をしてくれました。

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