2009年9月 1日

選挙>感想など

宮崎1区の結果と感想について。

1.川村秀三郎...109411
2.中山成彬...55114
3.上杉光弘...47116
4.馬場洋光...11143
5.鶴丸千夏...3726

有効投票数は226510。投票率は67.1%で、前回の63%より少し上がった。相当、高い水準といえる。川村氏は基礎票として8万ほどあり、中山氏が自民を分裂させた時点で、ほぼ勝負はついていたといえるのだが、いわゆる「風」がどのように吹くのか、またこの混乱のさなかで(原因はすべて本人にあるのだが)、前回の05衆院選(郵政選挙)で12万票を得た中山氏がどの程度、票を伸ばすのかに、個人的には注目していた。

さて、前に風を計算しなくても、4:3:2:1くらいになるのか。と書いたけれど、結果は、48%:24%:20%:6%となった。まあ、川村氏と中山氏だけがプラスマイナス6~8%の風の影響を受けた感じで、驚くようなことは何もなかったというところ。中山氏と上杉氏の順位についても、想像していた通りだったのだが、これは今さら理由を書いても仕方がない。

ところで問題は(というほど問題なのかどうかもわからないが)、300議席を得た民主党の、宮崎(および多くの地方)における基盤が脆弱なことではないかと思う。第一には県議会で、長年、自民党が第一党を占めてきたのには、それなりの理由というものがあった。それが野党に転落してしまった。

この先、どのように進むのか。日本中の田舎と同様に、宮崎も一次産業と建設業で、経済と政治が成り立ってきた中で、まず建設業が後退し、その政治力もほぼ消えた。農林水産業は、どうなのか。これまで自民党の強力な集票マシンとして機能してきた各種農業団体は、これから民主党とどう折り合いをつけるのだろう。それはもちろん、県議会の構成とも深く関わるわけなのだが。

これまで、政権党は補助金を駆使しながら地盤を固め、政権を保ってきた。いうまでもなく、それは霞ヶ関との連係プレーだったのだが、すでにない袖は振れないという時代にもなっている。

さらに、どうも民主党は本気で霞ヶ関と対決するかのようだ。それ自体は歓迎なのだが、いわゆる中央とのパイプがいくら太くても、そのパイプに満足にお金が流れていないのでは、頼りない話になってきた、というのが長年、選挙を左右してきた利益団体・思惑団体の実感だろうと思う。

このシステムは、政権の長期化を招き、それは多くの弊害はあるにしても、一方では長期的な国づくりの前提にもなってきた。小泉元首相が自民党をぶっ壊すといったのは、このシステムをぶっ壊すということだったのだが、実はその時点でとっくにぶっ壊れていたのだ。時を同じくして、ポピュリズムの政治が始まったのは、それと無縁ではなかろう。

右肩上がりの経済成長で成り立っていた利害や思惑が後退し、政権党に票をつなぎとめていたシステムが壊れ、政策による判断で、個人の票が集積して政権を選択する。これは教科書通りの「民主主義」の理念としてはいいことである。

いいことであるが、そこにはまだ政治のシステムとしての構造というものがない。現実の政治を動かしてきたひとつの構造が崩れて、なお「次」が見えてこない。古京はすでに荒れて、新都はいまだならず。どっちつかずの、時代の断層のようなところに、入り込んだような気がする。

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