2009年9月 4日

金田アンプのこと

ヤフオクで落とした生活向上委員会の『ダンス・ダンス・ダンス』というLPが届いたので(知る人ぞ知る名盤である。ただしCDは廃盤)、さっそく聴いてみようとしたら右チャンネルの音が出ない。

これまでも時々あったのだが、パワーアンプのスイッチを入れ直すとうまくつながったりしたので、何度もオン・オフしてみるが、今日という今日は、うんともすんともいわない。

ついに来るべき日がきたかということで、これの代わりになりそうなアンプをWEBで探してみるのだが、何しろ長いことオーディオ情勢から遠ざかっているものだから、何がなんだかわからないのだ。一応、アキュフェーズ、ラックス、デンオンあたりから選ぶことになるのかと思うものの、どうもピンとくるものがない。

仕方ないので、このアンプを譲っていただいた白男川さんに電話する。ああ、こんなところでナニですが、先日はトアルコトラジャを2缶も送っていただいて、ありがとうございました>白男川さん

「金田アンプの右チャンネル、音が出なくなったのだす」
「急に出なくなった?」
「以前から、出たり出なかったりしてて、スイッチを入れ直すと、ちゃんと鳴ったりとか」
「ああ、それはリレーがあやしいかも」
「リレーですか」
「なるべく上等の接点復活剤を買ってきて、吹きかければ直る可能性があるね」
「わかりました。若松通商で買いましょう」

「ところで」
「はい」
「こいつに代わるアンプ、今、買おうとすればどんなのでしょうね」
「金田アンプに代わるアンプはないと思う」
「やっぱり」
「それぞれに、いいアンプはあるけど、あの駆動力はね」
「ですよね。ユニットを強制的に動かすというか」
「ヤマイデ君のところのは古い設計だけど、現代のも本質的には同じだよね」
「とすると、あれを徹底的にメンテするよりは新しいのを作るのがいいのかな」
「その方が楽だとは思う」

「ところで」
「はい」
「テクニカルサンヨーで金田アンプのパーツセットを売ってるわけですが」
「うん」
「あれ、作ってもらえます?」
「いいよ」
「ほんとですか!」
「いいよ。ぼくも勉強になるしね」
「それはすごい」
「めちゃくちゃ良かったら、自分用に作るかも」

というようなわけで、ちゃっかり新品の金田アンプの製作までお願いしつつ、接点復活剤の到着を待っているわけである。

うちの金田アンプは、70年代後半設計のA級30WかA級50Wではないかと思われる。パワートランジスタに、2SA627/2SD188 が使われているので、たぶんそうだろう。実際の製作がいつかはわからないのだが、おそらく25年かそこらは経っていると考えた方がいい。

電解コンデンサーなどは、見たところしっかりしていたから、そんなに劣化はしていないかも、と白男川さんは言ってくれるのだが、これからずっと使おうと思えば、本格的なメンテが必要になる。

専門にやっている業者があったので料金を調べてみると、半田の付け替えや劣化が心配な部品の総入れ替えをやると、どうも10万円~程度はかかりそうだった。その価値は十分にあるので、やってもいいのだけど、現在もなお進化を続ける金田明彦という天才の、今の音を聴いてみるというのも、考えただけでわくわくすることではある。

接点復活剤で、あっさり修理できてしまったら、悩むだろうな。

IMG_0238.jpg

P.S.

接点復活剤の到着を待つ間でもなく、リレー接点をごしごしと掃除してみたら、見事に鳴るようになりました。せっかくサンハヤトのリレー用復活剤を注文したので、届いたら念を入れてクリーニングするけど。それにしても、案外丈夫だな、金田アンプ。

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