2009年8月14日

リードベース、平賀和人!

最近、オクサンがバンドでベースを弾いている。7月から8月にかけて、けっこう出番が多いらしく、しょっちゅうどこやらへ出かけていく。始めたのは、たしか6月くらいだったから、超初心者のまま、ステージに立つという、まったく世間様に対して申し訳ないようなお話なのである。

昔むかし、ドラムとキーボードでバンドに参加していたのだけど、ベースはまったく弾いたことがない。ギターすら弾けない。鍵盤と打楽器はこなすのだが、弦は未経験なのだ。なんでベースなんだと聞くと、「ベースしか空きがなかった」ということ。なんでもいいから、バンドをやりたかったらしい。太い話である。

この血筋は長女にも引き継がれているらしく、高校時代、演劇をやっていた彼女は、部員に欠員が出て、大会への出場がピンチだという新体操部に助っ人として駆り出され、1か月かそこらの練習で図々しくも県大会で準優勝し、九州大会では沖縄を満喫してきた。もっとも、県大会の出場校は二校だったという話もある。

こういう、初めてのことにものおじしない性格というのは、より人生を楽しめるだろうから、よいことであると思う。ワタシにも多少、そういう傾向はあって、何にしろ前例のないこと、人が無理だからあきらめろというようなことこそ、自分の出番だと思いこむフシがある。

こちらは、たぶん、どこかしら気負いのようなものもありそうなのだが、彼女らにはそれがない。要するに何にも考えずに、楽々とやる強さがある。

で、何しろ初めてのベースであるから、何を練習してよいのかわからないらしく、こちらも何か参考になる演奏はないかなと考えてみたところ、NSPを思い出した。

1973年頃に出た「さようなら」のベースは、どうにもかっこよかった。「昨日からの逃げ道」も、たしかいいフレーズがあった。ぼくがベースという楽器の重要性を知ったのは、ピンクフロイドのロジャー・ウォーターズと、NSPの平賀和人で、ほぼ同時期のことだったのだ。残念ながら、ポール・マッカートニーも、細野晴臣もあんまり知らなかった。

で、2002年の「NSP復活コンサート」のDVDを観た。一曲目、「昨日からの逃げ道」はリードギターにばかり目がいっていたのだけど、やはりNSPの音を作っていたのは平賀和人のベースだったことに、今さらながら気づく。

この人、デビュー当時のコメントで、好きなベーシストとして「はっぴいえんど時代の細野さん」と答えていたのだけど、ご本尊の方はよく聴いていないので、細野晴臣の何が、どの程度、彼に影響しているのか、今のところわからない。

平賀和人は、デビューアルバムのライブで「リードベースです」と、自己紹介していた。リードベースという言葉を聞いたのは、それが空前にして絶後である。まあ、たしかにリードと呼んでいいほど、彼のベースラインは多弁であり、しかも節度感があって、文句なくかっこいい。センスがいい。

「平賀和人研究」みたいなDVDを、誰か作ってくれないだろうか。これから、ポップス系のベースを覚えようかという人には、めちゃくちゃ参考になりそうに思うのだけど。

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コメント

ずいぶんマニアックなところを突いてきますね^^;JUNさんらしい。

ベースは一人多重録音の時に申し訳なさそうに弾くことがありますが、
なんだかギターと比べると、借りてきた猫みたいな演奏になってしまいます。基本を全然知りませんからねえ(^^ゞ

ポール・マッカートニーはやっぱりエエと思います。
All my Loving のベースなんぞカッコイイですね!

あとはキャロル時代の矢沢永ちゃんもカッコイイ~
あの、琵琶みたいなカッコしたベースのレプリカを弾いたことがありましたが、重いし、カタチが変なので抱えにくくてお手上げでした(^^ゞ

ひろすけさん

all my lovingのベース、あらためて聞いてみるといいですね。70年代風にいうと、ゴキゲン!!でしょうか^^;。ウォーキングベースというか、もとはジャズとかブルースのパターンなんだろうけど。音楽自体も、あの時代の中で考えてみると、とてつもなく新しいですね。

「昨日からの逃げ道」は you tubeにもありました。
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=0-wBBhp5Ojg&fmt=18

なにげないベースなんだけど、たしかに平賀節ではありますねえ。

まだ平賀節を理解しきれていませんが(^^ゞ
なるほど確かにリードベースといえばそうかも^^;

ポールのベースではsomethingも有名どころですね。
主旋律とケンカしてるという意見もあるようですが、僕は絡み具合が
絶妙と感じます。

関係ないけど・・・
ジャズのコンボでオルガンが入ってるとベースがいないことが多いですね。
一緒にやってもいいんじゃない?と思うのですが、やりにくいのかな?

もう少し、この話題、引っぱりますか^^;。

73年のデビューシングル「さようなら」なんですけど
http://www.youtube.com/watch?v=qJ6-aqQXny4&fmt=18

この曲のサビのところのベースのフレーズで、ぼくは初めてベースという楽器を意識したわけです。2002年のDVDでは、もっとタイトな音になってるけど、初期はこんな感じでボワンとした音でしたね。よく聞くと、30年後のDVDでも、平賀和人はほぼ同じフレーズを弾いています。

で、平賀節って言葉は、たぶんないんだけど^^;、「さようなら」のサビのところが典型であると、そのように理解していただければと^^;。

ちなみに、2002年の「さようなら」は、こちら。
http://www.youtube.com/watch?v=LeAAmQxPd0I&NR=1&fmt=18

愚息も「ベースしか空きがなかった」です。
要はカッコだけ、今でも耳コピです。
高校のときはベースボーカル時代もありましたが悲惨なものでした。

ダラッと下げて演奏しないこと、ロックなんだからピックで弾く、ギターとボーカルの為にじっと我慢するということを高校部活の時の顧問に指導されていました。

2002年の「さようなら」お気に入りに入っていますが、左用ベースなので映像だと違和感あります。
五つの赤い風船なんかはウッドベースが似合いましたよね。

秋山さん

今夜はオクサンと『ブエナビスタ・ソシアルクラブ』を観てたのですが、この中に「うちは曾祖父の代からベースだ」という人が出てきまして、ひっくり返りました。厚みがちがうよなあと。

あと、なにげに聴いていた荒井由美の『卒業写真』のベースが、あの時代としては信じられないくらいかっこよかった。調べてみたら、どうも細野晴臣だったらしい。ああいうのは、もうセンスの問題なので、真似をするにもどこを真似していいのか。音をコピーしながら、少しでも近づいていくしかないのでしょうね。

息子さん、がんばってらっしゃいますね。うちの子供たちはギターにもベースにも、今のところ無関心であります。

私には、音楽的才能やセンスは全くないんだけど、長女には若干あるようで・・・。ま、親の欲目でそう見えるだけかも知れませんけどね。(^^ゞ

パーカッション、ピアノ、サックス・・・はどれも一通りこなせるようですが、ギターだけは全くやらないようです。私のお葬式に、娘の葬送行進曲かなんかで送り出してもらうのがちょっぴり夢になりましたね。(^^)

そうそう、私のE46,JUNさんの影響受けてちょっとえんとりーしてみました。大した内容では無いですが、写真だけでも見てやって下さい。(^^)

サルモサラーさん

E46、拝見しました^^。うちのとは、ツリ目と涙目のちがいのはずなのですが、写真でみるとだいぶ印象がちがいました。うちのより、ちょっと大人のクルマといった感じです。

しかし、あれを買っておいてよかったなと思います。E90も最近、ようやく慣れてきましたけど、最初はちと「?」な感じでした。

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