弦>YAMAHAカスタムFS-50
定価1300円、実売1200円。今時、こんな高い弦は珍しいのだが、案外、ちょっとした店には置いてある。だから実はそう珍しい弦ではないのだが、使っている人は珍しい。ぼくも初めて買ってみた。
ヤマハのギター弦は、レギュラーものとカスタムの2種類があって、FS-50はカスタムのライトゲージ。FS-60というミディアムゲージもある。
FS-50のゲージは、012、016、025、032、042、052。マーチンのライトゲージが012、016、025、032、042、054だから、6弦だけ細い。弾いた印象でいうと、エキストラライトかと思うほどテンションが低く、弾きやすいので、全体に一回り細いような感じがする。
今回は、OOO-28ECに張ってみた。マーチンにYAMAHAの弦というのは、やや変則的な気もするけど、案外、こういうところが盲点になっていたりして...、というすけべ心もなきにしもあらず。
一言でいうと、かなり個性的な弦だと思う。低音弦は思いのほか素直な音で色づけをあまり感じないけど、高音はきらきらと輝くような音がする。BRASS WOUND と書いてあるだけで、いわゆるブロンズ弦なのかフォスファー弦なのかはっきりしないけど、低音がブロンズ系だからブロンズか。上の方はフォスファー系のようなきらびやかなトーンがあるけど、これはもともとの個性かもしれない。
テンションが低いせいか、運指の際、指に吸いつくような感覚がある。だもので、速い運指でも一音一音がむしろしっかり出る。マーチンのライトでは、どこかしら指が負けている感じだけど、この弦は弾きこなすことができるようだ。
これは長所でもあり短所でもあって、演奏上の限界が低い(弾きやすい)反面、もの足りなさが常に残る。特に低音は、音質が柔らかいのはいいとして、ここ一発の、ばんっ、というのが出ない。逆にこれを長所と評価すれば、バランスのとれた低音ということになる。一長一短。好みとしかいいようがないけれど。
OOO-28ECの、タイトで決して薄くない低音の魅力は相当スポイルされる。というか、弦の個性がギターの個性を覆ってしまう感じがあって、ギターの本質を引き出すというより、弦が自分でどんどん鳴っている傾向になるので、相性としてよくはないのだろう。
いろいろ弾いてみて、ふとした瞬間に、ジャパニーズフォーク系のしっとりした切なさみたいなものが、直接響いてくる弦であることに気づいた。特に単音弾きの時に、そうした部分が出てくる。音質はむしろ明るい傾向なのだけど、やはり血は争えないというか。
だもので、この弦は、やはり日本のギターで試してみるべきなんだろうと思う。もう1セットあるので、今度はVGに張ってみることにする。大体、予想はつくけれど。
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その後、VGに張ってみました。張りたての印象は、「すっごく硬い音」。少し時間をおくと変わる可能性もあるけど、今のところ、なんだか、いわゆるニホンのエレアコという音になって、これはちょっと好みではないなあ。
VGでこれまで良かったのは、アーニーボールのライトと、マーチンSPのFINGER STYLE。でも、ベストというわけではないので、今度はダダリオを張ってみることにします。
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