2008年4月30日

映画>ナバロンの要塞

『ナバロンの要塞』(J・リー・トンプソン 監督/1961)。

ご存じ、アリステア・マクリーン原作。主人公は戦争ハードボイルド史上最高のヒーロー(ろくに読んでないが、これ以上つおい男がいるとは思えん)、不屈の男キース・マロリー。

前に一度観ているはずだが、このマロリー役が誰だったか思い出せなかった。アンドレアのアンソニー・クインは覚えていた。こちらは、この人しかないというくらいのはまり役だと思う。でも、主人公をまったく思い出せない。そのくらい、原作のイメージが強すぎる。

で、マロリーはグレゴリー・ペックだった。戦争ものでは『頭上の敵機』とか『渚にて』で見たことがある。なるほどなあと思う。このくらいすっとんでいないと、あの臼で挽いても死にそうにない男はできないわな。

確かに世界中さがしても、キース・マロリー役なんか見つからないだろうし、ペックしかいなかったといえばその通りなのかもしれないけど、この人は臼で挽いても死なないというよりは、役者として死なせるわけにはいかない人なのであって、冒頭にこの人が出てきたところで、ぐっと緊張感が落ちてしまうのは避けられないことなのだった。ペックが悪いのではなくて、マクリーンとマロリーが凄すぎるのだろう。

第二次大戦中、ギリシャのケロス島で孤立したイギリス軍2000名を撤収させようとするのだが、要所の水路をナバロンの要塞砲で押さえられ、船を向かわせることができない。空爆も失敗し、万事休したところで元登山家のイギリス陸軍大尉キース・マロリーほか数名に、島に潜入して要塞を爆破せよとの命が下った。というお話。

原作の発表が1957年で、61年にはもう映画化されているわけで、この本が当時いかに熱く迎えられたか、わかるような気がする。

似たようなプロット、というわけではないけれど、第二次大戦中のイタリアの島に潜入して特殊作戦をやる話としては、ジャック・ヒギンズの「ルチアノの幸運」というのがあって、ぼくはこの作品の映画化を待ちわびているのだけど、誰かやってくれないかな。

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コメント

実はこの映画リアルタイムで見ているんだよね。つまりは人吉の劇場「第一映画館」で見た記憶がある。伯母と一緒に行ったのだが当日花火大会で、映画館の中にも花火の音が響き、子供心にそちらの方が気になってしょうがなかった。何故花火大会の日に、と言う所はさすがに記憶から脱落してます。
だが強烈な印象は残っています。それは多分ボクは初めて見た洋画だからでしょう。字幕スーパーで訳が分からなかったが、何とも言いがたいインパクトがあった事は確かです。アンソニー・クイーンの馬面が脳裏に刻まれています。

小学一年生か幼稚園だったと思う。(^^)

あるぽさん、リアルタイムですか。その後のハードボイルドな路線は、この時に決まったのかな。それにしても、5歳か6歳ですね。ぼくの初映画は『101匹わんちゃん大行進』でした。映画館で買ってもらったサンドイッチのカラシの辛かったことを、よく覚えています。

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