2009年6月18日

タコを釣ること

投げ釣りのゴカイに、時々、タコが釣れるのを不思議に思っていたのだが、今回、何度か船釣りをやってみて、これはフロックでもなんでもなくて、相当に当たり前で、お約束の出来事であることがわかった。

ただし、季節と場所による。季節はちょうど今頃から真夏にかけて、場所はかなりピンポイントのようだ。そこは、門川で一番の大ギスのポイントでもある。つまり、まさに今、タコを釣るにふさわしい時と場所を得ているらしいので、これは一発狙ってみなくてはなんない、ということになった。

前回釣行時に、初参加のヤマガタ氏が、キス釣りの仕掛けそのままで、スナダコを大小5つも釣り、うれしそうにお持ち帰りになったのが発端である。私と流星号さんとあららさんは、タコの恩恵に浴すること甚だ寡なるものがあり、私など前々回からずっとタコはボーズであった。

キス釣りに行ってタコがボーズだからといってくやしいのかというと、これは相当にくやしい。釣り人としてくやしいというよりも、あれを食えないことが非常にくやしい。思いは三者とも同じであったらしく、立ち寄った釣具店で全員タコジグなるものを購入した。

こんなものである。

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このようなとぼけたものが、何かの役に立つのかと思われそうなのだが、そこらへんはまったくわれわれにも見当がつかない。釣具には、実用上さほど役に立たないけれど、妙に買いたくなるというものがあって、これもそのタイプの品物特有の匂いがしていた。大体、タコを釣るのに、タコの子供のミニチュアとはなんなのだ。あのたこ焼きの看板みたいな目に、何か意味があるのか。そもそもなんで寄り目なのだ。そこんとこ、どうなんだ。えー、どうなんだ。

と、店員に鋭く迫るつもりであったのだが、こちらも大人であり、向うは女性でもあったので「あの、湾内でボートからタコ釣りたいんですけど、この手の商品で売れ筋ってわかります?」などと、ごく謙虚な態度に出てみると、ベテランらしき店員が出てきて、「これですねえ」といって教えてくれたのが、右の白いやつである。このフジサンケイグループみたいなモノで、タコが釣れるというのが、どうもよくわからないのだが、とにかく買う。ついでに、寄り目ジグも買う。

そんなわけで流星号さんと沖に出てみた。二人とも、頭の中はタコでいっぱいである。船を流しながら、二人の考察と議論は深まっていく。

キス仕掛けにタコが釣れるというのは、あれは光るオモリにアタックしてきたやつが、鈎に掛かっているのではないかと考えたのは流星号さんである。彼は、その考察を具現化すべく、前回、キス天秤のオモリから短い鈎を二本出し、しかもそこにオキアミをつけるという冒険に出た。

いかにも筋の通った論であり、たまたま結果は出なかったものの、かなり有効な手段であると思われる。今回は、キス天秤にオモリの代わりにタコジグをつけ、キスを釣りながらタコもくればうれしいという、一粒で二度おいしい作戦を立てた。

ワタシの方はとにかく、あのとぼけたタコジグどもに不信と疑いの念を強く抱いており、小細工なし、タコジグ一個のみを流して、その有用性の検証を優先することにした。キス竿とは別に、エギングロッドにタコジグを結び、アクションもつけずにただ流す。小突きもなんにもしない。タイプは寄り目の蛍光タコをセレクトした。

で、まずキス仕掛けにけっこういいマダコが掛かる。その場面が、こちらである。

●キス仕掛けにきたマダコ

キス仕掛けのマダコのアタリは、なんというか、当然ながらキスとはちがうアタリなのである。よく根がかりのような...といわれたりするが、一応、生体反応のあるアタリをする。タコだと確信するのは、リールを巻き上げた時で、うにょーっと重くて、小さなタコだとクイクイクイと引いたりする。動画のサイズくらいになると、ご覧のようにグイグイグイ、となる。それほど重くはないんだけどリールが巻きにくい。そんな感じ。

で、次は寄り目タコジグにきたアタリ。

●タコをシメていたら、タコジグにアタリ(気の弱い方は見ないでください)

これはボートから流しっぱなしにしているので、アタリは、柔らかな根がかり→根がかりが自動的に外れる、を繰り返すようなパターンが多いような気がする。うにょーっ、すかっ。うにょーっ、すかっ。というアタリだと、たぶんタコは乗っている。

結論として、タコジグは有効である。ただし、掛かりはするが取れない。この日、一度ハリに乗って取り込めた確率は3割くらいだったか。釣り人としては、アワセを入れるか、入れないか。リールを速く巻くか、普通に巻くか、ゆっくり巻くか。くらいしか対処のしようがないのだが、とにかくよくハリから外れる。

カニなどの餌がついたテンヤなら、食い込ませるために一度糸をゆるめるのも有効な気もするのだが、タコジグだと、どうなのかよくわからない。

とにかく、かーっ。くやしい。という釣りなのである。タコへの道は、まだしばらく続く。


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コメント

明石ダコ・・・と言われるだけあってこちらはタコ釣りが盛んです。

テンヤはだいたい自作のものが多い・・のかな。

白いビニールをまきつけただけのもの、蟹をくくりつけたもの
いろいろのようで各自工夫してるようですが、底をゆっくり引いて
きては止めたり・・・で、重みを感じたら思いっクソ合わせてますね。

故に根掛かりしてもいいようにかなり太仕掛けのようです。

しかし、タコは旨いですね。(^^)

サルモサラーさん

明石で思い出しました。次は、たこ飯を作ろう。いつか、いちろうさんに干しタコを送ってもらったことがあるのですが、あれも忘れられない味でした。

一度だけ、魚の棚を歩いたことがあります。どっかで、途方もなく熱い卵焼きも食べたなあ。えび箱かついで、あのへんをうろうろできる釣り師っていいなあと、今でも思います。

ヒジョーに和やかな会話ですな。笑ってしまいました。いいですね。

砂底なんでしょうね。僕の所では置き竿したら一発で根掛かりです。

サルモサラーさんも書いているように、原爆合わせで一気に巻くのが僕流です。JUNさんみたいにやり取りするなんていう発想は全くありませんでした。糸はPEの15号くらいの「どうじゃこの太さは」というような糸でした。それを石鯛の両軸に巻いて、竿は深海用かなんかのぶっといのでした。勿論安物ですよ(^^;)。タコが船底にへばりつくとゲームセットです。はがれません。

これはタコテンヤをヒコーキに替えればそのままトローリングにも使えます(^^;)。トローリングとタコのタックルが同じと言うところが良いでしょ? 

しんさん

内湾のボート釣りだと、朝暗いうちから、夕方まで丸一日釣っても飽きないですね。それにサケがうまい。この日も、さすがに朝からだとアレなので、12時になるのを待ってビールを空け、それから焼酎に移行して、ちびちびと飲んでおりました。

まあ、ビール1缶、焼酎2合弱くらいの酒量ですけど、釣りながら飲むには、このくらいがいい塩梅というか、限度です^^;。

このポイントは砂地、砂泥地に、時おり小さな根がまじる感じで、タコジグも丸一日引いていましたが、根がかりロストはありませんでした。タコは、スナダコというやつが大半で、たまにマダコがまじるようです。

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